Niti-S大腸用ステントMD/BBタイプ多施設共同前向き安全性観察研究

研究開始にあたってのご挨拶


大腸悪性狭窄に対するステント留置術は2012年1月に保険収載され,現在では広く全国で使用されています.WallFlexTMから始まり,続いてNiti-S®,最近ではHANARO®やJently®なども加わりステントの選択肢も広がってきました.その中で,今年になりNiti-Sの新型ステントが開発されました(Niti-S MD/BB Colonic Stent: Niti-S大腸ステントMD/BBタイプ).
このMDタイプは,ステント口径22mmを保ちながら,デリバリーシステムが9Frに収まった初めての大腸ステントとなります.細径内視鏡が使用可能となることから取り回しもよく,尚且つ22mmという必要十分な口径を確保し,元来のNiti-Sの編み方を踏襲しAxial forceも弱くなっており,非常に汎用性の高い大腸ステントと考えます.当院でも今まで14例使用し,偶発症もなく全例臨床的成功が得られております.
しかしながら,このステントで十分な腸管減圧効果が得られるか?今までのNiti-S同様穿孔率が低いのか?など有用性および安全性のエビデンスはありません.そこで今回,大腸ステント安全手技研究会(代表世話人:斉田芳久先生)で「Niti-S大腸用ステントMD/BBタイプ多施設共同前向き安全性観察研究」を企画しました.
この観察研究は今まで大腸ステント安全手技研究会で行ってきた観察研究同様にエントリーしやすく,観察期間もBTSで手術後退院まで,PALで1年と比較的短くなっております.目標登録症例数は200例です.皆様の多大なるご協力の程何卒よろしくお願い申し上げます.


2018年9月吉日
独立行政法人国立病院機構 呉医療センター・中国がんセンター
消化器内科内視鏡センター長
桑井 寿雄